第八回|白檀の香、風炉の頃

風炉の季節になりますと、茶席には涼やかさとともに、ほのかな香りの趣が添えられます。
炭手前では、香木として白檀を用い、そのやわらかく上品な香りが、静かな席中に穏やかに広がってまいります。
また、風炉の頃の香合には、生地のやさしい風合いや、漆器の艶やかな趣が好まれます。
自然素材の温もりや、漆の静かな美しさは、初夏の軽やかな空気感とも調和し、道具組の中に季節の移ろいを感じさせてくれます。
目には見えない香りまでも取り合わせの一つとして大切にするところに、茶の湯の繊細な美意識が息づいているように感じます。


