第十回|水無月に寄せて ― 夏越の祓と祈り

後編
六月三十日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」の日。
一年のちょうど半分を終える節目として、平安の昔から朝廷でも大切にされてきた神事です。知らず知らずのうちに身についた穢れや災いを祓い、残る半年を無事に過ごせるよう祈ります。
神社で茅の輪をくぐるのも、水無月をいただくのも、その根底にあるのは「無病息災」への願いです。
古歌にはこのように詠まれています。
水無月の
夏越の祓する人は
千歳の命
延ぶというなり
六月の雨は、田畑を潤し人々の暮らしを支え、そして私たちに立ち止まる時間を与えてくれます。
雨音に耳を傾けながら、この半年を静かに振り返り、残る半年の平穏と幸せを願う――。
そんな日本人の美しい祈りの心が、「水無月」と「夏越の祓」には今も息づいているように感じます。
